飯豊連峰 頼母木山(1,730.0m)
GPS LOG 明日は雨 僅かな晴れ間 西俣ノ峰より杁差岳 ダイグラ尾根から本山
雪庇 落とし穴にしては深い 三匹穴から 偽頼母木へ 北部稜線
お地蔵様が壊れていた 地神山 赤津山 二王子岳 頼母木小屋〜杁差岳
頼母木山々頂 名残惜しいけど 杁差が高くなっていく 枯松峰から振り返る 西俣ノ峰から振り返る

天気図・気象衛星写真出所 気象庁HP


日 時   平成20年3月23日(日)  
参加者  DAE(坂場)さん、LTQ(私)、以上、下越山岳会
行き先  飯豊連峰 頼母木山
天 候   3月23日(日) 晴れ後曇り
気 温   23日 -1.3度〜15.3度 (7時〜17時)
風 速  23日 0M〜3M (7時〜17時) NNW〜WNW〜SW〜NW〜SSW〜S
      (気象データ観測ポイントは山形県小国)
ウインドプロファイラ
      23日12:00(観測地 山形県酒田)1KM SE 6M ;2KM E 5M ;3KM 欠測
装 備   春山低山 
登はん用具:アイゼン(試用テスト)・ピッケル(使用せず)
雪山装備:Wストック・スノーシュー
ナビ用品:GPS、Mポインター、地図、シルバコンパス
防寒具:合羽で代用
飲み物:水 1,000ml ポカリスエット500ml
食料品:握り飯4個 菓子パン2袋(パン合計1,000kcl)、ハイカロリーゼリー2袋
その他 非常食1,000Kcal分
残 量  水500ml、非常食


コースタイム 事柄 備考
23日(日)
05:35 自宅発               DAEさんに迎えに来て頂いた。
06:50 奥川入荘着           駐車のお願いをして準備する。
07:09 奥川入荘発            (308m)
07:19 末端尾根取付          (320m)思ったより雪が少ない
07:50 522mピーク            (522m)ダイグラ、本山が神々しい。
08:30 十文字池手前          西俣ノ峰の北側の峻険な沢へ巨大なブロックが崩落。物凄い音。
09:30 西俣ノ峰             (1,023.2m)まだまだ先は長〜い。
10:35 枯松峰              (1,184m)
11:42 三匹穴              (1,450m)必要ないけれど、アイゼンを着ける。(テストの為)
12:29 偽頼母木             (1,675m)
12:40 頼母木山             (1,730m)こんなに風がないのも珍しい?

13:30 山頂発               (1,730m) さて、下山
13:38 偽頼母木             (1,675m)
13:53 三匹穴              (1,450m)
14:28 枯松峰              (1,184m)
15:14 西俣ノ峰             (1,023.2m)
15:50 十文字池             西俣ノ峰から下の雪質悪い。締りがなくズブズブに埋まる。
16:06 522mピーク            (522m)
16:27 末端尾根取付          (320m)
16:38 奥川入荘着            (308m)

各時間は到着時間、その後休憩食事を取っている場合がある。


GPSデータ
TP積算距離    13.6KM
TP移動時間      5:40
移動平均速度     2.4KM
全体平均速度     1.4KM
累積標高(+)    1,596M
最高到達点    1,733M

概略
杉花粉症を患う者としては、憂鬱な時期だ。また年度末の移動だとか、客商売の都合上、相手方の都合で何かとバタつくので
予定が立ちにくいのも今の時期。明日、23日は会山行で光兎山が計画されていたが杉林はチョイと勘弁ということと、急用で
ドタキャンするのも何であるので見送りモード。
さて、明日はどうしようか?という22日土曜日、DAEさんから日帰りで頼母木山のお誘いを頂いた。日曜日は汗をかきたかったので喜んでご一緒することにした。

記録
朝起きてお茶を飲みながら窓から外を観る。今日も晴天に恵まれそうだ。夜明けも随分と早まり、晴天なら5時頃からヘッデンナシでも充分歩ける。
そんな事を考えながら荷物を持ってアパートの前の道路でDAEさんを待つ。DAEさんの車で奥川入荘を目指す。関川村のコンビニで行動食を購入して、光兎山を見る。もう既に会山行の一行は登り始めているはずだ。
奥川荘で駐車のお願いをして、若旦那と少し立ち話をしながら準備をする。

あれ?スパッツが変だ?よく観たら左足用のスパッツを2つ持ってきたのだ。以前アイゼンで切ってしまいダメにした片割れをとっておいて、同じ柄のスパッツを購入したため、混入させてしまったのだ。先々週まで使っていたものが傷んでしまいボツボツ引退時期なので急いで引きずりだしたらこの始末。こういうのはボクは案外、ナーバスになる方で、厳冬期の悪天だったら、奥川入荘で待機!とするかもしれない。現地で起きてしまったことは仕方ないけれど、出かける前から装備の不備を承知して出かけるのは気分のいいものではない。

とはいえ、上々のお天気なのでトラブルも少ないだろうし、スパッツのトラブルに関しては、補修できる代換物資があるので、気分はイマイチだけどお天気に気分も上向きで出発。朝の空気は冷えているので余り潜らないのでツボ足で進む。枝尾根末端に取り付く。ここから522Pまでが、ヤセていて中途半端な雪の残り按配が歩き難い。

522Pで一休みして本山方向を眺めると、ダイグラ尾根から本山が神々しい感じがする。
雪の消えた端からイワカガミが葉を艶々させている。十文字池の少し手前から西俣ノ峰を眺めて標高差300mか・・・・もっとありそうな気がするなあ・・・と思いながら西俣ノ峰を眺めていたら、ピークより少し北西側に寄った稜線下の巨大なブロックが次々と崩れ峻険な沢を土石流の様に駆け下る様子が見えた。百雷の雷鳴の様な空気の振動が谷に響いた。久しぶりに見たスケールの大きなブロック雪崩だ。

西俣ノ峰に着いて一休み。振り返ると朝日連峰が美しく広がって見えた。帰りの楽しみにオレンジを2個雪に埋めて目印を立てておいた。ピストンの山行では積雪・残雪期にボクは楽しみでよくやる。リンゴ、ミカン等果物が多い。幸い猿に盗られたことは今のところない。何かオブジェの様な雪庇の自然の造詣美というのか不思議な形状を眺めながら西俣ノ峰から枯松峰へ向かう。
途中でNTR(中村さん)からコールを貰う。会山行の皆さんは光兎山々頂下鞍部で休憩中。15名の山行とのこと。

枯松峰の少し手前に雪原状で樹林の途切れた場所がある。これも天候の悪い時進み難い。左に寄れば雪庇に近づくし右の樹林を辿るとかなり、回りこむ感じになるし、風の影響で大きな吹き溜まりができる場所も近くにあって視界不良時には不安になる場所だ。

枯松峰までくると、三匹穴がハッキリ観てとれる。握り飯を齧りながら、双眼鏡を覗くと、三匹穴に2名の登山者が見える。登っているようだ。一旦下り登り返してオオドミ。
オオドミからは三匹穴まで、黙って辛抱。三匹穴に近づくと新雪がある。何時降ったものだろうか?新しく表面に黄砂も見えない。
傾斜が緩むと広々とした雪原が目に飛び込んでくる。三匹穴に到着だ。
DAEさんも私もテストしたいアイゼンがあり着用する。少しの新雪の下に比較的締まったザラメ雪。視界が効くので冬ルートを通らず雪原をサクサク歩いていると、NEN(石井さん)からコール。会山行の皆さんは登頂後、鞍部まで戻り、飯台を造り食事中の様だ。
NENの方は良い様だが、こちらは無線の電波が被っている。それに、歩きながら話すのも結構辛い所なので、早々に引っ込む。
NW方向から小さなヒドの入ってくる特徴点までくると、偽頼母木も近い。偽頼母木から山頂に先行者が見える。途中でスライドした時に少し話すと3月9日に高知山〜二王子でお会いした方のようである。

山頂に着いても風は穏やかで逆に驚く。良い天気だなぁ〜
ん?〜ナンダロウ???
何か変だな?
あら??
ホヘ?
お地蔵様が木端微塵になっているではないか?
どうしたのか?
登頂の連絡を入れるつもりで、免許下りたての下越山岳会無線クラブのクラブコール(JRφZDF)を呼ぶがもう、誰も出ない。

穏やかな山頂で食事と風景を楽しむ。二王子岳が良く見える。二王子も今日は盛況なんだろうなぁと思う。
食事と風景を満喫して下山する。陽はまだ高い。所々で写真を撮りながら下る。少し雲が出てきた。
枯松峰の下で鳩が2羽うずくまっていた。観ると脚環がついているので飼鳩の様だ。ケガをしている様子もないが動かない。ホンの数メートルの所まで来てようやく飛び去った。恐らく猛禽類に追われて疲労困憊してうずくまっていたのだろうと想像している。
雪が腐りだしてスノーシューを着けるが誠に歩き難い。尾根が狭くなると夏道が顔をだしているので、スノーシューを外し夏道に逃げ込む。

西俣ノ峰でお楽しみのオレンジを雪から掘り出して食べる。冷た〜く酸っぱいオレンジを食べてもうひとガンバリ。
西俣ノ峰直下の雪質が最悪で腿まで埋まる。堪らずスノーシューを付けて下る。522Pが近くなったところでスノーシューを外して尾根上を歩く。気の早いイワカガミは蕾になっている。水をゴクゴク飲んで、あとは急な尾根を下り途中から斜面を下り奥川入荘に向かう。

奥川入荘で汗を流して帰途についた。

雪が柔らかく、DAEさんもボクもアイゼンの塗料も落ちない程度のテストだったが、春浅い飯豊の稜線に立つことができた。
DAEさんとお天道様に感謝の一日でした。




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